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ある時、こんなメールが届きました。

「実は、ずっと前から気になっていることがあるのですが、一生使える万年筆が欲しいのです。今はメールが主体になってきてしまっていますが、子供のころから手紙魔で、学校にもレターセットを持って行って休み時間に書いていたりするくらい、いつも書いていました。
(中略)
数年前から、消しゴムハンコをやっているので、最近では、ことあるごとにハンコを押してカードを作成したり、お手紙を送ったりしているのですが、この先ずっと使える、自分の分身のような万年筆が欲しいなあ、と思っていたのです。

お店に行ってみたりもしていましたが、たくさんあるし、ネットで検索とかしてみても、情報がありすぎて、自分では消化できず、まだ購入できていないのです。
……という状況なのですが、そういう場合にご紹介いただけるようなことは出来ますか?」

というご相談でした。

「一生使える万年筆」という大きなお題に少々びっくりしてしまいました。
パッと思い浮かんだのは高級万年筆。
Y様の手のサイズや雰囲気に合う美しい万年筆を、と。

でも、なんか違う気がしました。
だって、「分身のような万年筆」ですから。

そこで、Y様にとって「一生もの」「分身」になる万年筆とはどこが重要なのかを一緒に考えていく事にしました。
まずは機能的な部分での一生ものになる要素、「書き心地」「持ち心地」です。
ご自身の筆圧や癖に合わせてニブ(ペン先)を調整していくようなものや、素材や重心の位置、太さや軽さなどご自身の手にフィットするものか。

そういう機能性とは全く異なる理由から「一生もの」になる事があります。
それは「思い」や「思い出」です。
人生の節目や何かの記念などに手にしたものです。
そういうものはプロダクトとしてではなく、気持ちや思い出と共に大切にされていきます。

まだ万年筆をほとんど使ったことのないY様には、一生ものの万年筆をおすすめするにも、書き味や持ち味に関して好みがまだわからない状況でした。

まずは万年筆に慣れることからだなぁ、と私は思いました。
メンテナンスも必要だし、インクはすぐ蒸発するのに、筆跡のインクが残りやすいし。
それらの不便な事を「万年筆の愉しみ」と思えなければ、どんなに良いペンを持っても使わなくなってしまいます。

そういったことから私はY様に
「まずは、手頃な価格の万年筆を使って見ませんか?」とご提案しました。
一生ものはその後で良いと思います!と。

手頃でY様に似合いそうな万年筆をいくつかご紹介させていただきました。
その中からY様が選んだのが、こちら。

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ペン先もロゴもゴールドで深みのある色は大人の女性にぴったり。
私もこのお色を大賛成しました。

そして、オプションを選んでいきます。
ペン先やクリップやケース、インクの色も。
その一つずつ決めていく行程がとても楽しいとおっしゃっていただきました。

最終的にペン先はF字、ブラックのケースにセピアのインクカートリッジとなりました。

初めての万年筆。
万年筆ならではのインクだまりやペン滑りの良さや軽やかさ、楽しんでくださいね。

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