何日か前、「東京は午後から本降りの雨」と天気予報で言っていた朝、
自転車にまたいで信号待ちをしていた私。
横道からスッと現れたシルバー世代の女性が

「今にも降り出しそうね〜。」

と言った。
頭の中がぱんちくりんで、空なんか全く気にすらしていなかった私は、突然の声かけに少しびっくりしながら空を見上げました。
どんより、ねずみ色の雲が少しずつ迫ってきていました。

「ほんとですね!降りそう、、、」

と、あまりに突然の出来事で気の利いた言葉も浮かばなかった私は、重ねて

「お出かけですか?」

と聞くと、

「お買い物があってね、(すぐそこのスーパーまで)雨が降る前にね。」

と。

私「そうですね、雨降っちゃう前にね。」

信号が青になったので、

「お気をつけて〜!」

そう言って走り出そうとした私に、

「頑張ってね!」

と笑顔で言ってくれました。

なんか、嬉しかった。
何て事なのに心にグッと刺さった。

知らない人と何て事ない世間話をする事がなくなった現代、ちょっと前ならそんな事当たり前だった時代があった。
利害関係がない人と関わる事を避けることが当たり前になってしまったこの時代をとても悲しく思う。

”今の空”を気づかせてくれた事が、
空を見上げる余裕もなかった、知らない私に「頑張ってね」と言ってくれた事が、
笑顔が。

そんなたったの数秒の事なのに、心に響いた。

なんか、心がぬくぬくしちゃった。
とっても元気が出た。

写真はその数日後、一年で一番寒い日とさえれる大寒の日の朝、大切にしているグラキリスちゃんから新芽が。
春が近づいてるよ!って自然が教えてくれる。
そんな何てことない事を大切にして行きたいな。

ORIE