よく覚えていないけど、小学生の確か低学年の時の頃、母が仕事で初めて海外に行きました。しかもヨーロッパ周遊。まだベルリンの壁が崩壊していなかったと言っていたので、1980年代だったと思います。東ドイツ時代のベルリンを含むドイツ、フランス、イタリア、スペイン、デンマークやスイス、オランダ、オーストリアなどを回ったそうです。
「現地で美容院に行ってみたい!」と言って旅に出かけた母は、ものの見事にチリッチリのもじゃもじゃ頭のファンキーおばさんになって帰ってきました。元々ファンキーな母にはとても良く似合っていましたけど。

その旅のお土産がすごかった。

何と、母はヨーロッパの各国から文房具をお土産に買ってきてくれたのです!
私たち姉妹は文房具が大好き。特に姉は無類の紙好きなのです。今でも。

そのお土産のラインナップがすごかった。

 ホログラムがびっしり入ったキラッキラに輝く鉛筆、アルプスの山々が描かれた赤い印の色鉛筆セットは描いて筆でなぞれば水彩画になりました。もう、それはもう、魔法です!その他にも、見たこともない優しい色味と硬い表紙、分厚い紙のノート、リアルに描かれた様々な動物の形や植物の形のシール、キラキラのもあったな。文房具ではないけれど、動物やお花の形をした大小色とりどりの輝くスパンコール。

次から次へと現れる魔法の文房具に目をキラキラさせるのを通り越して眠れないくらい大興奮したのを覚えています。

更には、紙が好きな私たち姉妹のためについ持って帰ってきちゃったんだろうね、ホテルのレターセットやレストランの紙ナプキン。読めないアルファベットとロゴがカッコ良かったなぁ。

今ではどれも珍しくないけれど、当時の子供達にとってはどれも見たことない文房具。色も、デザインも、素材も!高級感があって、大人な絵柄で、とても雅やか。日本のファンシーでカワイイ文房具と全然違う。全く異なった文化を持つヨーロッパに興味を持つようになったのは今思うと、これだったのかもしれません。それ以降、阪急百貨店に行った際には必ず買いました。5階で。ヨーロッパ製のロールになっているシール。色彩豊かな動物やモチーフの種類がたくさんあって、10cmくらいで一節になっていて、欲しいだけ買える。
ぜ〜んぶ宝物⭐︎
「6-3-3で12年♫こいずみ学習机♪」の、お腹のところにある何入れて良いのか分からない平たい引き出しに入れました。スパンコールはカメラのフィルムケースに入れてあります。毎日、そっと開けてはニヤニヤして眺めて、閉める。

もはやビンテージと化した宝物のスパンコールと色鉛筆は、今もなお現役の宝物です。久しぶりに触れてみて、描いてみる。
「子供の頃より少し絵が上手になったね。」
賑やかしいスパンコールたちの声が聞こえてきました。

文房具と私2-1