こんにちは、デザイナーの桝谷です。前回、紙を偏愛しているのに、文房具に無頓着でノート(用紙)に対してこだわりがないという話をしましたが、今回も引き続きその話を。
まずは実際、今使っているノートをお見せします。用途別で2種類。それぞれの使い方はこんな感じです。

場所:主に外出先で
状況:打ち合わせなど人と対峙している時に
用途:見聞きした情報を書き留める記録用


場所:仕事場、自宅、カフェなど
状況:ほとんどが一人の時に
用途:アイデアや言葉を書き出すスケッチブック的使い方

ちなみに手帳は持っていなくて、スケジュールなどもAのノートに書き留めています。

「A」のノートは、現在MUCU フラットノートを使っています。
何を基準に選んでいるかというと完全にデザイン、もっと言えば表紙の「見た目」です。

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ただ、ノート単体の見た目の好き嫌いだけでなく、他の持ち物とあわせて選んでいるという感じです。言わばコーディネート。「チップボール」という鼠色の板紙の名刺にしたのをきっかけに、仕事で使う紙もので人目に触れるものは同じ素材や似た印象のもので統一しました。封筒、デザイン実績をまとめたファイル、配布用の実績集、そして「A」のノート。

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ノート:MUCU FLAT NOTE RULED
ファイル:印刷加工連 紙ファイル

極力、色や素材を揃えることはもちろん、余計な装飾がないこともポイント。自分の仕事らしさを伝えるためとか理由はいろいろあるんですが、最小限で無駄なく揃っているって単純に気持ちいい。and Natural Essenceにも通ずるものがありますね。

「B」はというと、自分で選んだのではなくてドレッセンス代表のオリにすすめられたもので、モレスキンのカイエというノート。ここ数年ずっとこのノートです。これも余計なデザインがなくて、気に入ってます。
もちろんアイデアスケッチなどする際、このノートを使っているんですが、出すのが面倒で適当にその辺の裏紙に描いてしまうことも多いんです。残らないから、後悔することも多いんですが……。

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ここまで読んで気づいた人いるかもですが、ノートをデザイン・見た目で選んでいて、紙にはこだわらないって変なこと言ってるんですよね。ノートって紙の束なのに。前回自分で書きましたが、デザインにこだわるってことは、紙にもこだわるってことです。じゃあ何が言いたいかというと、紙をデザインの要素として意識しているけど、書き心地って機能の部分は意識してなかったってことなんです。

展示会などで「このノートは紙にこだわって、書き心地が〜」って商品の説明されたりしてもピンとこなくて。

で、なんで自分は気にしなかったんだろうと考えてみたら、理由は2つあって、
1つは、状況や用途的にそこまで必要としてないから。
「A」は、聞く、整理する、話すことに頭を使っていて、書き心地を気にしていない。「B」は、とりあえず手を動かす感じだったりで細部にこだわらない。だから、裏紙でもよかったりするくらいで。ちなみに、もう少し丁寧に描きたい時は、コピー用紙を使うんです。無地の白い紙を使いたいからなんですが、これも描き心地というより、どちらかというと気分の問題。

2つ目は、文具好きがたまたま隣にいて、自分の考えも理解したうえで相応しいものを勧めてもらえる環境だったから。
意識しなかったということは、問題なかったということで、mucuとかモレスキンとか知らない間にいいものを使ってたんです。この「意識しなくても安心して良いもの」ってすごいことですよね。「ブランド」ってこういうことなんだろうな、ドレッセンスもそうなりたいなと思う。

何が書きたかったのかよく分からなくなってきましたが、書き心地を意識しているような人のノートの使い方が気になっています。実際、ドレッセンスでも書き心地を気に入ってリピートしてくださる商品・お客様がたくさんいらっしゃいます。
なかでも、MUCU SHIROノートMDノートは、とても人気が高いです。
MUCU SHIROノートは、トモエリバーという紙で万年筆でも筆記性がかなり高いようで、トモエリバーのノートを探されている方も多いようです。

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MDノートは、コンセプトがそのまま「書き心地の良さを追求したノート」です。

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オリも上記2点はずっと使い続けているようで、とてもいいそうです。

書き心地、用紙にこだわるような人は、きっと書くという行為や時間を愉しんでいる人なんだろうなと思う。そうなると筆記具にもこだわりがあって、というか、むしろ筆記具ありきで用紙なんだろうし、今の自分には感じとれない微差を楽しんでいるんだと思うと少しうらやましい。自分ももっと書くことを愉しむことをしないとダメだなと切に感じてます。万年筆買ってみようかなぁ。